『理事長のひとりごとvol.45』~「稲木がけの稲刈りです」
透き通った青空のもと「ヤマフクモチ」と「赤米(豊ノ栄)」の稲刈りを行いました。例年より熟するのが1週間ほど早いのですが、長男が休みだったこともあり稲木がけの方法を教えることにしました。
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最近は、稲木がけをする農家が減ってしまいました。これは、手間がかかるのが主な原因だと思いますが、コンバインが普及し簡単に収穫できるからでしょうね。
でも、モチ米や赤米などは昔ながらの稲木がけで天日干し(てんぴぼし)をすることが必要になります。
マニアックなお話しですが、バインダーで刈り取りをする時に約30~40条を一つのブロックとして外側から回りながら刈り取ります。バインダーは左回りに刈り取りをして、機械の右側に束ねて落としてくれますので中央部分は稲束のない場所ができます。こうすると中央に稲木を作るスペースができ、イネを集める手間が省けます。(写真を参照して下さい)
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イネが良く出来ているときはブロックの幅を狭く(30条くらい)、逆にイネの出来が悪いときはその幅を広くします。
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次に稲木ですが、クイを適当な間隔(2mくらい)で打ちこみ、横木(当地域では「なる」と言います)を水に濡らした稲わらでくくりつけていきます。 彼は、この稲わらでくくりつけるのが難しいと言っていました。今回初めて教えたので無理もないところですが慣れてもらうしかないですね。
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今日稲刈りしたのが1反足らず(8a)でしたが、私の父の時代は1町2反(1.2ha)すべて稲木がけをしていました。当時は大変だっただろうと思います。今ではとてもそのまねは出来ませんね。
最近は農業も機械化が進み、簡単に早く収穫出来るようになりましたが、稲木がけをした米と機械乾燥した米では青未熟粒(注1)を見るとよくわかります。これは精米してしまうとわからなくなりますが、機械乾燥した米は水分を強制的に抜くために未熟粒の表面にシワが出来ますが、稲木がけの米では時間を掛けゆっくり乾燥するためそれなりにふっくらしていますので美味しさが違うと思います。
父が行っていた稲木がけのような面倒な作業の良いところも次の時代に送っていきたいと思います。
(注1)青未熟粒・・・成熟が不十分であったために、果皮に葉緑体が残っている米粒です。稲刈りの時期が早すぎたり、出穂・開花が遅れた場合などによく見られます。
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