『理事長のひとりごとvol.46』~「農機具共同利用グループのお話し」
彼岸の中日あたりに咲いていた彼岸花が今年は少ないなと思っていたのですが、9月の終わり頃になるといつものようにたくさん咲いてくれました。そして、庭先にあるコスモスも可愛い花を咲かせています。
秋本番というところですが、今年は籾が熟するのが1週間ほど早く山田錦の刈り取りを10月2日より始め、私の圃場は10月7日で刈り取りが終了しました。トビイロウンカ(注1)の被害が各地で多発しているようですが、その被害も受けず台風前に取り込みが終わりほっとしています。これから調整と袋詰めを行います。
さて、私たちは友人4人でコンバインの共同利用グループを作っています。このグループの結成は平成20年で、メンバーが耕作面積に応じて出資金を出し合い、4条刈り(41馬力)のコンバインを購入しました。
酒米の山田錦は品質の良いうちに収穫する必要があるため、短期間で収穫できるよう大型のコンバインが欲しいところですが、費用対効果からこの機種にしました。そして、作業面積に応じて1反(10a)あたり2万円の利用料を会へ納め、この中から共同作業の日当や整備点検料、燃料費、保険料などを差し引いて、残りを次期の機械更新用に積み立てます。
こうして蓄えた積立金で、平成30年に新しいコンバイン(4条刈り48馬力)に入れ替えました。10年かかりましたが追加の費用負担なしで更新することが出来ました。
このグループのおかげで、メンバーの作業日を決め、他のメンバーが応援する仕組みができました。機械のオペレータは終日刈り取りに専念し、ほかのメンバーが刈り取り補助とライスセンター等へピストン式に運搬するため1日で1haは楽に処理できます。
農家の後継者問題が取り沙汰されていますが、私たちのような方法も一つのやり方だと思います。
グループを作るときに集落営農も検討しましたが、組織が大きいといろんな意見があり、まとめるのが難しいので小グループにしましたが、正解だったと思っています。そして、これからの農業は、機械の設備投資を抑え、作業を共同で行う体勢が欠かせないと思います。
さあ、あと一人の稲刈りが残っていますが、台風が通り過ぎたあとに刈り取る予定です。
(注1)トビイロウンカ・・・ウンカの一種で体長約5ミリ、梅雨前線の気流に乗って中国などから飛来する。稲の茎から水分や栄養分を吸い取り、水田が局所的に枯れる「坪枯れ」を起こす。